『HADO LIFE』2023年5月号
『共鳴磁場』編集長
望月孝彦

 

 「アーティフィシャル」とは、自然ではなく人によって作られたさまを表す言葉です。2023年4月号でご紹介した、アウトドア関連メーカー、パタゴニアが制作したドキュメンタリー映画のタイトルにもなっています。この映画は「サケやマスの人工ふ化放流をすればするだけ個体数は減少する」という内容です。
 日本ではヤフーに、「北海道の保護水面(漁業、釣りともに禁止されている川)では、サクラマス資源の保護・増殖のために様々な規模で放流が行われている。本当に放流に効果があるならば、放流数の多い川ほどサクラマスは多いはずである
 実際はその逆であった。1999~2019年に行われた資源量調査のデータを分析したところ、放流数が多いほどサクラマスは
減る傾向にあった。それどころか、同じ場所にすむ他の魚種の密度も低くなり、中には淘汰されていなくなるものも見られた」「奇しくも同年、ドイツの湖において放流の効果を検証した大規模実験の結果が発表される。この研究では、7ヘクタールほどの湖を「水槽」に見立て、放流する湖・しない湖を実験的に設けた。6年間にわたって魚の個体数の動向を追ったが、実験に用いられた5魚種すべてにおいて、放流によって増えたという証拠は得られず、種によってはむしろ減ったという」というニュースが掲載されました(生態学者の照井氏より)。

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