『共鳴磁場』2023年10月号
看護師
NPO法人国際ホリスティック看護協会 理事長
株式会社ホリスティックメディカル代表取締役
ルミナスグループ代表
中ルミ

 

 私たち、NPO法人国際ホリスティック看護協会では、①実践 ②研究 ③学習 ④イベント・交流。この四つが活動の柱になっています。
 立ち上げの最初に、実践活動として訪問看護ステーションを始めました。当時は、育児中ということもあり自宅で開業し、2010年12月に千葉県の稲毛駅前にステーションを設立しました。この活動を始めた理由は、「何かとにかく早くしなきゃ」という思いがあったからです。自分でも何でこんなに焦ってるのだろうと理由が明確には分からなかったのですが、設立してまもなく東日本大震災がありました。

 千葉県も被災し、外房では津波被害がありました。そのため最初は千葉県からボランティア活動を始めたのですが、ゴールデンウィーク明けぐらいから国道が復旧し東北の方まで足を伸ばせるようになったので、5年間、東北地方にお伺いさせていただきました。
 今のコロナでも同じですが、命との向き合い方、普段の生活が当たり前ではないんだと多くの方が認識がされたと思います。自殺を考えてたけど止まった、いう話をお聞きしたこともあります。

 東日本大震災を通じて私達に投げかけられたメッセージはとても大きいなと感じます。5年間、本当たくさんの気づきと学びをいただきホリスティックケアの必要性を改めて強く感じた経験でした。
 町の復興のスピードはとても早く進んでいたのですが、被災された方たちの心の復興というのは目に見える形での変化はありませんでした。ですが、ボランティアさんが入ってくることによって笑顔の輪が広がっていくっていうのを目の当たりにしました。通い出して5年近くなった時に、今までボランティアやケアをする人が入っていなかった小さな避難所や仮設住宅にお伺いするようになったのです。

 そこでは当時の時間が止まったような状態の表情の方たちが多くいました。人の手が入ると入らないと全然違うんだなと感じました。
 その手とは愛の力です。改めて気づかされたし、私たちの手の力というのは、たくさんのことが出来るのだということです。電気や水道なども全部止まってしまったので医療の現場も崩壊状態だったのですが、身体が緊張してこわばってる人たちがクリスタルボウルを聴いた瞬間に、緊張がほぐれていく姿を見たりしました。そういう中でも出来ることはあるなと感じたのです。

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