『HADO LIFE』2025-2026年冬号
国際波動友の会会長
株式会社ビヨンクール代表取締役会長
荒井正敏

 

病気が減らない時代に考える、
本当の「予防」とは

 かつて「病気になったら病院で治す」というのが常識でした。
 しかし今、医療の中心は確実に「治療」から「予防」へと舵を切っています。

 現代の予防医学は、まさに「病気にならないための科学」として進化を続けています。
 専門医でしか知り得なかった最新の情報がAIによってもたらされ、遺伝子検査、そしてウェアラブル機器の登場により、私たちは自分の体をリアルタイムで観察出来る時代を迎えました。
 アップルウォッチやフィットビット(グーグル)が測定する歩数・心拍・睡眠・ストレスのデータは、まるで「自分専属の健康アドバイザー」が腕の上にいるような感覚を与えてくれます。

日本の予防医学政策の現在

 日本の予防医学政策の中心には、「健康日本21」という国家プロジェクトがあります。
 この計画は、栄養・運動・休養・メンタルヘルス・口腔ケア・受動喫煙防止といった生活の基本を見直し、「健康寿命の延伸」を目指すものです。
 さらに、40〜74歳を対象とした「特定健診・特定保健指導」では、メタボリックシンドローム対策として腹囲測定や血糖・血圧・脂質をチェックし、生活習慣の改善を促しています。

 また「データヘルス計画」によって、健診やレセプト情報を分析し、国全体で個々の健康を支援する仕組みも整いつつあります。
 一方で、日本独自のメタボ基準(腹囲:男性85㎝/女性90㎝以上)は国際的な整合性を欠くとの指摘もあります。
 欧米の基準が血圧・血糖・脂質など代謝リスクを中心に評価するのに対し、日本は「肥満」を重視する傾向が強いのです。

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