『共鳴磁場』2023年11月号
シュタイン亜希子

 

旅でとても大切なことを
学ばせて頂きました。

 普段はヨーロッパでの活動と私が日々に感じていることを会報誌でお伝えしているのですが、今回は私の里帰りでの体験とそこから自分なりに得たインスピレーションについて皆さんと共有し報告させていただきます。今回私が学ばせていただいたことは、清らかさと大和の国の龍神様の繋がりについてです。

 私たちの日本という国とその国民つまり大和の人々が龍神様に守られてきた存在であるということは魂の記憶、というか、うすうすと心でずっと感じ続けていました。

 そして御縁もたくさん私の人生のなかで頂いてきました。私は辰年生まれですし、子供の時に暗闇で蛇を踏みつけてしまったことがあったときもその蛇は(蛇は龍の生まれ変われともいわれます)まだ小さかった私の驚いた眼をしっかりと見据え、じっと動かないまま、その目が私の目を見つめていました。

 まるで時間が止まったようでした。そして金縛りにでもあったように、私は数秒の間、動くことも息をすることも忘れてしまっていました。そして魔法が解けたように、私はびっくりして飛び跳ねて慌ててその蛇から飛び降りて、ひたすら家の階段を駆け上り、親に助けを求めたのを今でもしっかり覚えています。あれは何だったのだろう。そんなことを思い出してしまった今回の里帰りでした。

 というのも、今回の里帰りでは、青森の新郷村というところにあるキリストの墓を訪問することと、両親に挨拶すること、そして長野県諏訪の原村というところにある森の中の教会は今から20年前に私の現在のパートナーであるエルビンが設立したものだったので、私はこの教会をどうしても彼と一緒に再訪問したかったのです。

 道中で本当にたくさんの方々との出会いと御縁に恵まれとても素晴らしい里帰りの旅になったのですが、この会報誌では、その中から少しエピソードを抜粋して皆様にお伝えしたいと思います。それは青森での旅の出来事です。青森についたときに私の友人が知人が青森にいるので、その方と一緒に私たちに3日間、青森をいろいろと見せてくれることになりました。

それが旅というものだ!
人生も同じ

 まず、東京成田から時差ぼけを抱えて青森に夜遅く到着したので、翌日私たちは寝坊してしまって、待ち合わせの時間になってしまったことに気が付かず慌てて飛び起き、急いで支度をして、ああ、私たちのために時間を割いてくれている友人とその知人を待たせてしまい、なんと飛んでもないことになってしまったのだろう! と自己嫌悪に縛られて待ち合わせの場所へかけつけました。

 正直にごめんなさいという言葉がどんなに言いづらかったか、でもこれをしなくてはと思い、あの時の蛇のまなざしを急に思い出した私でした。わざとではないけどまた、蛇を踏みつけてしまうような失敗(寝坊)をしてしまった私。あの時見たいに逃げてはだめだ。まっすぐその人の目を見てごめんなさいと言いました。その瞬間を境に世界が魔法にかかったように展開し始めたのです。友人も知人も少し戸惑った様子はありましたが、にっこりと心のそこから微笑んで、「いいよ。疲れていたんだね。よく眠れてよかった」と返してくれました。

 そしてその知人は、「それが旅というものだよ。人生も同じ、失敗をすることがダメなのではなく素直であることが大切で、それだけでいいんですよ」って。どうして私は、この瞬間に急に子供の時の蛇との体験を思い出したのでしょう? 龍神様が「思い出しなさい、あの時私があなたを見つめたように、踏みつけても踏みつけられても、清らかな心で素直に謝り、清らかな心で謝る人は、すべて許してあげなさい」と教えてもらった気がしたマジカルな瞬間でした。

事実はあまり大切でない
手を合わせる心こそが真実

 キリストの墓がある、と聞いていて、いつか必ず見てみたいと密かに思っていたので、今回その場所を訪問することができ、もう一つ大切なことを学ばせていただきました。

 このお墓について語り続けられているエピソードは、イエス・キリストは十字架にかけられ死んだのではなく、逃れて(彼の弟が身代わりになって十字架にかけられたそうです)日本の青森の新郷村へたどり着いて日本人の女性と結婚し、3人の娘に恵まれ、そこで、ニンニク農家として106歳まで幸せに人生を全うした、ということです。

 実際にその場所へいったら、この内容が事実なのか、どうか解明出来る糸口が見つかると信じて私たちは新郷村へ到着。そこには森の中にひっそりと佇む二つの盛山のような墓場でシンプルな木で十字架があったのみでした。

エルビンさんが設立した教会

 友人と知人は、仏教と神道を深く学ばれている方で「さあ、ここで、手を皆で合わせて祈らせてもらいましょう!」といったのです。彼らは私たちの前に立って祝詞をあげ、手を合わせられました。祝詞の内容はもちろんキリストの信仰のそれとはちがうのですが、私は、「ああ、この手を合わせて祈っている姿こそが真実だ」と静かな稲妻に打たれたように気づかさせていただいたのです。

日本の国家
君が代について私が感じたこと

 青森の浅虫温泉がある近くの港へ私たちは招待されて、そこで知人が「これがさざれ石だよ」って教えてくれました。私は、「え? 国歌に出てくる、あのさざれ石?」と聞くと「そうだよ!」と。さざれ石というのはもともと火山から噴き出す溶岩が飛び散って小さな黒い玉のような形で固まって石になったということですが、この場所で、それが海の海岸にほかの溶岩と一緒にながれて、海で冷やされ溶岩が岩壁となりその石が溶け、まるで貝塚のように残っていました。

 そして岩の洞窟のようになったその巌となったさざれ石の壁の側面にはたくさんの仏様の姿がありました。そんな、ところへ突然、なんの予告もなく、連れられて私たち。そして海に浮かぶ小島をゆびさして知人が「あそこに見える島ね、島全体が御神体で、龍神様がいるんだよ!」と教えてくれました。

 国家、君が代は、
「君が代は、千代に八千代に、さざれ石の巌となりて苔のむすまで」
 と歌われます。
 私は生まれて初めて実際にそこで巌となったさざれ石を見ることが出来たのです。

 千代、八千代の時間を超えて巌となったさざれ石をみて、私は「大和の国、日本に生まれてよかった! 」と心から深く私を生んでくれた両親にそして龍神様にありがとうと心から感謝をしました。

 私は「水からの伝言」をヨーロッパで伝えていくという素晴らしい活動をさせていただいており、江本勝氏は水と龍神の繋がりについてたくさん話していらっしゃったと思います。子供の絵本の裏表紙にもその龍神の姿は描かれており、江本氏の大好きだったTシャツにも龍神が描かれていました。そして龍神は調和をつかさどるシンボルだということを聞いていましたので、今回の旅で頭の中で理解していたことを実際に体験させていただく旅となり、水の伝道師として一歩前に進むことが出来たのかもしれないと感じました。

愛と感謝を込めて


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シュタイン亜希子(Stein AKIKO)
オーストリア在住。大学卒業直後の2000年3月、ドイツ・ザールブリュッケン大学・翻訳通訳学科に入学。
2001年5月にはマインツ大学・応用言語文化科に転学し、さらに高いレベルの通訳翻訳スキルを磨く。
2005年春、ドイツ国家公認法廷通訳士、通訳士国家試験に合格。フリーランスの通訳・翻訳士として活動を始める。
2013年江本勝氏の書籍に感銘をうけ波動の勉強や西洋医学、東洋医学の勉強を始める。
2014年第19回国際波動インストラクタースクール修了。ドイツ語圏、ヨーロッパでのEPP活動を始め現在に至る。
連絡先/akikostein@gmail.com

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